葉山S邸

2016-09-21
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クライアントのS氏と初めてお会いしたのは2007年1月。

建設会社からの紹介だった。早速現地でお会いすることになり、向かった先は葉山町某所。御用邸に連なる海岸通りに位置するその場所は後にわかった事だが、アルヌルア・ペツォールトという建築家が設計した旧ウィリアム・モア邸。

昭和12年に建てられたドイツ建築の別荘である。80年の建築数だが、現所有者のS氏が数年をかけて手入れをし、素晴らしい形で現在も残っている。

そんな由緒ある場所で打ち合わせが始まり最初に言われた言葉は「風呂を建てたい」条件は今いるこのリビングからの眺望を妨げないこと。かくして一色海岸に面した絶好の立地条件であるこの土地に増築(棟別新築)の設計を開始したのである。

コンセプトは「地球からの贈り物」高低差を利用して地階は海から直接出入りができるボートハウス兼ゲストルーム・1階にはランチ・ディナールーム、RCの円柱以外はすべてガラス張りとし東側のスカイガーデンへと繋がっている。

等間隔の円柱に支えられて乗っているのが「風呂」である。構造躯体の外側を全てガラスで囲い、80年の歴史をもつあの素晴らしい建物のリビングからの視界はガラスを通して海へと繋がる。

空、星、山、光、風、そして海。この地球からの贈り物は地球の宝物である。

その宝達にはずっと昔からこの地にその美しい姿を見せてくれる。ここに居るといつも宝達がそばにいます。

 

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葉山S邸5

 

葉山S邸3

 

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